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本の要約・書評

【要約・書評】『モンク思考 自分に集中する技術』根っこに目を向ける

2022年9月4日

こんにちは、ちゃむです。

今回は次のような悩みを持つ人に向けての記事です。

悩んでいる人

他人の言葉に振り回されることが多いように感じる。『モンク思考 自分に集中する技術』という本のタイトルが気になった。本の要約を教えてほしい。


当記事で『モンク思考 自分に集中する技術』を紹介します。
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著者のジェイ・シェティ氏が本書で伝えたいのは次のことです。

ものごとの根っこに目を向け、自分自身を見つめる




モンク・マインドへ至るために3つのステージがあります。

3つのステージ

第1ステージ「手放す」
第2ステージ「成長する」
第3ステージ「与える」




著者のジェイ・シェティ氏のプロフィールを紹介します。

『ニューヨーク・タイムズ』紙ベストセラーリスト第1位作家。講演家、ポッドキャスター。元僧侶の経験を生かして世界中に知恵を拡散するべく活躍中。Google、Microsoft、Netflix、メガバンクHSBCを始め、世界中の企業で基調演説を行い、多くのクライアント向けに社内トレーニング・プログラムも開発。自身が経営するオンライン・スクールでは200万人以上がコーチング術を学んできた。自己啓発コミュニティー「ジーニアス・コーチング・コミュニティー」は健康ウェルネスの理論と実践に関するプログラムを提供し、世界100カ国以上から数万人のメンバーが参加している。

引用元:Amazon




本書は3つのパートで構成されています。

パート1 手放す
第1章 アイデンティティーー自分だと思っているもの
第2章 ネガティビティー邪悪な王様は空腹を満たせない
第3章 恐怖ー「この世」という名のホテルへようこそ
第4章 意図ー金(ゴールド)に目をくらませるな

パート2 成長する
第5章 目的ーサソリの性分
第6章 ルーティンー場所のエネルギー、時間の記憶
第7章 心(マインド)ー御者のジレンマ
第8章 エゴーキャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

パート3 与える
第9章 感謝ー世界最強の薬
第10章 人間関係ー人間観察
第11章 奉仕ー他者のために木を植える




3つのパートはモンク・マインドへ至るための3つのステージについて、それぞれ書かれています。

本書の特徴は、僧侶の思考を著者が現代の生活に合うように伝えている点です。

『モンク思考 自分に集中する技術』を読むことで次のことを得ることができます。

ものごとの根っこの部分に目を向ける思考



それでは、『モンク思考 自分に集中する技術』を紹介していきます。

モンク・マインドとモンキー・マインド

モンク・マインドとモンキー・マインド

モンクとは僧侶のことです。

本書にはモンク・マインドとモンキー・マインドという言葉が出てきます。

まずは、モンク・マインドとモンキー・マインドについて説明しましょう。



モンク・マインドとは

ものごとの根っこの部分を見据えて、人生の意味と方向性を教えてくれる思考


モンキー・マインドとは

こっちの考えからあっちの考え、この問題から別の問題へと、せわしなく飛び回るだけで、何一つ解決しない心の状態




モンク・マインドとモンキー・マインドの特徴をいくつかあげてみましょう。

モンク・マインドモンキー・マインド
優しくて、思いやりがあり、協力的愚痴をこぼす、比較する、批判する
先々の利益を考える目先の満足を重視する
他者の役に立つために自分を大事にする自己中心的で思い込みが強い
シングルタスキングマルチタスキング
エネルギーをコントロールし、賢く使う怒り、悩み、恐怖に支配されている
モンク・マインドとモンキー・マインドの特徴



モンク・マインドがめざすのは、エゴ、嫉妬、欲望、不安、怒り、不満、悩みから自由になることです。

【要約】第 1 ステージ「手放す」

【要約】第 1 ステージ「手放す」

「手放す」ステージは成長を押しとどめている外的要因、自分の内側にある障害物、恐怖などをそぎ落としていく段階です。

例えるなら、いろいろな物があって手足を伸ばせないような状態から、物を片付けて手足を伸ばすスペースをつくることです。

本書ではネガティビティについて書かれています。



ネガティビティには2つあります。

2つのネガティビティ

・外からくるネガティビティ
・内なるネガティビティ

それぞれのネガティビティについて説明しましょう。

外からくるネガティビティ

外からくるネガティビティはネガティブな人や物のことです。

外からくるネガティビティに対処するために本書から2つのポイントを紹介します。

観察者になる
じわじわ離れる




2つのポイントをそれぞれ簡単に説明します。

観察者になる
ネガティブな人や物から物理的にではなく心理的に一歩引くことで、外から状況を眺めることです。

心理的な距離を置くことをモンク・マインドでは「無執着」と呼んでいます。

じわじわ離れる
ネガティブな考えや感情の引き金になる物を処分したり、場所を回避したりすることです。

内なるネガティビティ

内なるネガティビティは自分の中にあるネガティブな思考や感情です。

妬み、不平不満、怒りなどがあります。

これらは自分の中から完全に取り除くことはできません。



内なるネガティビティに対処するためにプロセスが3つあります。

①見つける
②止まる
③切り替える




3つのプロセスを簡単に説明しましょう。

①見つける
自分の中にあるネガティブな思考やコメントをリストアップしていくと、その出所も分かってきます。

②止まる
自分のネガティビティの根っこにあるものが見えてきたら、人生のためになるような思考や行動が生まれるだけのスペースをつくります。
呼吸から始めると良いです。

③切り替える
頭にきたときの出来事などを日記に書いて、自分の思考と感情に注意を向けることをすれば、精神的にも肉体的にも成長できるし、心の傷も癒されるのです。

【要約】第 2 ステージ「成長する」

【要約】第 2 ステージ「成長する」

「成長する」ステージは人生でさまざまな決定を下すときに、意図、目的、自信をもって行えるように、生活を見直していく段階です。

「成長する」ステージのポイントを1つあげます。

ポイント

自分のダルマを生きる




「ダルマ」という言葉について著者は次のように書いています。

「ダルマ」という言葉は、他のサンスクリット語の多くがそうであるように、一つの単語に訳すことが難しい。「天職」に近いと言えなくもないが、僕は「ヴァルナ」と「セーヴァ」が合わさったものだと思っている。「ヴァルナ」(これも複雑な意味をもつ)は、その人にとって大好きであり得意でもあること、そして「セーヴァ」は世の中のニーズを理解し、無私の心で他者に奉仕することだと思ってほしい。きみが得意で好きなこと(ヴァルナ)が普遍的なニーズ(セーヴァ)と結びついて、人生の目的になったとき、きみは自分のダルマを生きていることになる。

引用元:『モンク思考 自分に集中する技術』




分かりやすく言うと、「自分が得意で好きなもので、なおかつ世の中の人々に必要とされているもの」になるでしょう。

ダルマに時間とエネルギーを費やしていると、自分の能力を最大限に発揮しつつ、しかも、世の中の役に立っているというダブルの満足感が得られます。 

自分のダルマを生きることは、人生を充実させる確実な道なのです。



ダルマを見きわめるためには、どんな仕事に情熱を感じるかを知る必要があります。

本書ではダルマを見きわめるために「ポテンシャルの4 区分」が紹介されています。

「ポテンシャルの4 区分」

区分1「得意だが好きではない」
区分2「得意であり、なおかつ好き」
区分3「得意でもなく好きでもない」
区分4「得意ではないが好き」




私たちが自分のダルマを生きるためには、区分 2「得意であり、なおかつ好き」なことに最も時間を費やすことが大切です。

ですので、区分 2「得意であり、なおかつ好き」についてのみ説明します。

区分 2「得意であり、なおかつ好き」

誰でも自分の大好きなことで才能を発揮して生きていきたいものです。

本書ではダルマを考えるうえで、人間のパーソナリティ(個性)を4つのタイプに分けた、「ヴァルナ」と呼ばれる分類が紹介されています。

ヴァルナはその人の本質や適性を示しています。

自分のヴァルナ──情熱とスキル──を知り、ヴァルナを人のために役立てるとき、自分のダルマになるのです。



4つのヴァルナを著者は次のように呼んでいます。

4つのヴァルナ

「クリエイター」
「メーカー」
「ガイド」
「リーダー」

4つのヴァルナの特徴をそれぞれ簡単に紹介しましょう。

「クリエイター」

・何ごとに関しても自信と説得力がある
・お金、快楽、成功が強い原動力になっている
・働きすぎて燃え尽きたり、うつに陥ったり、気分屋になったりする
・ダイナミックで、カリスマ性があり、人を惹きつける
・お金になると同時に人の役に立つ製品やアイデアを生み出す

「メーカー」

・行き詰まりを感じると、自分には価値がないという感覚に襲われる
・手に余るほどたくさんのことを同時にこなそうとする
・ほんとうに追求する意味があるかどうかで目標を選ぶ
・右腕としてきわめて有能
・手仕事で高度なスキルを発揮する

「ガイド」

・分野に関係なく、その道のコーチ的、メンター的存在
・相手のよいところを最大限引き出そうとする
・実行力に乏しい
・知的好奇心が旺盛
・他者が人生の目的を見出せるように知識を使って助ける

「リーダー」

・人々、運動、集団、家族にとって根っからのリーダー的存在
・一つの使命に向かって、人を団結させ、集中させることに長けている
・権力を求めるあまり、倫理観を失う
・意味ある人生のためではなく、名声とお金のために構造や枠組みを築く
・高度な道徳観、倫理観、価値観のために闘う




本書の末巻にヴェーダ式パーソナリティ・テストがあります。

20の設問に答えることで、自分のヴァルナを知ることができます。
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【要約】第 3 ステージ「与える」

【要約】第 3 ステージ「与える」

「与える」ステージは自分自身という枠を超えて世界に目を向け、感謝の気持ちを広げ、分かち合い、人間関係を深めていく段階です。

「与える」ステージのポイントを1つあげます。

ポイント

感謝は世界最強の薬




感謝は心の健康、自己認識、人間関係を改善し、充実感を高めることが研究で判明しています。

感謝は誰もが内に抱えている憎しみや苦しみを克服する助けにもなります。

感謝の気持ちに包まれているときは、感謝以外は感じられないのです。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経科学者アレックス・コーブ博士は、人間はポジティブな感情とネガティブな感情を同時に感じることはできないと語っています。



「優しさと感謝はともに育てなければならない」とするブッダの教えがあります。

誰かのために自分を犠牲にしたことがある人には、他者が自分のために払ってくれる努力や注いでくれるエネルギーのありがたみが分かる。

つまり、優しさを実践すると優しさに必要なものが分かり、心から感謝を覚えるようになる。

優しさが感謝を教えるということなのです。



感謝はあらゆるポジティブな性質の生みの親です。

感謝は思いやり、立ち直る力、自信、情熱などに命を与えてくれる。

ポジティブな性質が私たちに生きる意味を見出させ、他者とのつながりを促してくれるのです。

『モンク思考 自分に集中する技術』の【書評】

『モンク思考 自分に集中する技術』の【書評】

私が本書を読んで、心に残った文を紹介します。

自分自身を理解しない限り、人を愛する準備は整わない。

引用元:『モンク思考 自分に集中する技術』




この文は「パート3 与える」の中で愛について書かれている一文です。

自分を知らない人は、間違った性質に目を向け、間違った人を選択しやすい。

自分が求めているものが分からないと、自分が求めているものと違った人を選んでしまう。

原因は自分自身を理解していないからです。



ときとして人は同じ過ちを何度も繰り返してしまいます。

僧侶的な視点からすると、そういう人は痛みを抱えている。

その痛みを癒してもらおうとして他者を追い求めているそうです。



自分の痛みを知り、自分自身で痛みを癒すことができたとき、ようやく誰かと付き合う準備が整う。

自分自身を理解しない限り、人を愛する準備は整わない。

この文は私自身に当てはまることだと、心にグサリと刺さりました。



次に本書の全体の感想です。

著者は僧侶の経験をしているので、修行中に指導僧や先輩僧とした会話が文中に書かれています。

私たちが考えるようなことを著者が発言したり、質問をし、それに対して指導僧や先輩僧が僧侶としての考えを教える。

会話のやりとりを読むことで、読者に気づきを与えてくれます。



本書は読むだけでは、理解できないかもしれません。

書いてある内容を実践することで、理解できるものだと感じました。

まとめ:ものごとの根っこに目を向ける

まとめ:ものごとの根っこに目を向ける

モンク・マインドとは

ものごとの根っこの部分を見据えて、人生の意味と方向性を教えてくれる思考




モンク・マインドへ至るためには3つのステージがあります。

3つのステージ

第1ステージ「手放す」
第2ステージ「成長する」
第3ステージ「与える」




モンク・マインドになるためには、ものごとの根っこの部分に目を向けることが大切です。

そのためには、実践が必要です。

本書には読者が実践をするために”やってみよう”という項目があります。

例えば、瞑想のやり方や朝のルーティンとしてどんなことをしたら良いかを教えてくれています。



本書は570ページあるため、当記事では私が大事だと感じた内容に絞って、紹介しました。

読む人の年代やどんな人生経験を積んできたかによって、響くポイントが違うでしょう。

他人の言葉に振り回されて自分を見失っている人に読んでほしい本です。
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モンク思考から学ぶエゴを手放す方法についての記事を書いています。

あわせて読んでみてください。

  • この記事を書いた人
chamublog

ちゃむ

ウェルスダイナミクス、本の要約、思考について書いてます | 情報発信の根底にあるのは人の成長 | 2021年5月ブログ開設 | 当ブログはアフィリエイトプログラムに取り組んでいます

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