こんにちは、ちゃむです。
今回は次のような悩みを持つ人に向けての記事です。
一度これという考えを持つと、考え直さなければいけないときに、既に持っている考えに固執してしまう。考えを変えることに役立つ本を紹介してほしい。
当記事で『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』を紹介します。
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あなたは自分の考えを見直すことができていますか?
私たちはいま、急速に変化する世界を生きています。
急速に変化する世界を生きていくためには、自分の考えを見直すことをしていかなければなりません。
ですが、私たちは自分の考えを見直すことができないことが多いのです。
考えを見直すこと、つまり「再考」するために大切なポイントは
「自分を疑う」
です。
『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』は「再考」することの大切さを教えてくれています。
著者のアダム・グラント氏は本書を通して次のことを伝えたいと書いています。
多くの人がもはや役に立たない知識や見解を捨て、「不変性」ではなく「柔軟性」を獲得してくれること
引用元:『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』
まずは、著者のアダム・グラント氏のプロフィールを紹介します。
ペンシルベニア大学ウォートン校教授。組織心理学者。1981年生まれ。同大学史上最年少の終身教授。『フォーチュン』誌の「世界でもっとも優秀な40歳以下の教授40人」、世界でもっとも重要なビジネス思想家50人(「THINKER 50」)のうち一人に選ばれるなど、受賞歴多数。「グーグル」「ディズニー・ピクサー」「ゴールドマンサックス」「国際連合」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も精力的に行なう。
引用元:『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』
アダム・グラント氏はほかにも次の2冊を執筆しています。
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『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』
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『ORIGINALS 「人と違うこと」ができる時代』
当ブログでも『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』の【要約】記事を書いています。
>>【要約】『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』与える人とは?
本書は4つのパートで構成されています。
本書の構成
Part1 自分の考えを再考する方法
Chapter1 今、自分の「思考モード」を見直せ
Chapter2 どうすれば「思考の盲点」に気づけるか
Chapter3 「自分の間違い」を発見する喜び
Chapter4 「熱い論戦」(グッド・ファイト)を恐れるな
Part2 相手に再考を促す方法
Chapter5 「敵」と見なすか、「ダンスの相手」と思うか
Chapter6 「反目」と「憎悪」の連鎖を止めるために
Chapter7 「穏やかな傾聴」こそ人の心を開く
Part3 学び、再考し続ける社会・組織を創造する方法
Chapter8 「平行線の対話」を打開していくには
Chapter9 生涯にわたり「学び続ける力」を培う方法
Chapter10 「いつものやり方」を変革し続けるために
Part4 結論
Chapter11 視野を広げて「人生プラン」を再考する
本書を読めば、「再考」する方法を知ることができます。
それでは『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』を紹介していきましょう。
目次
【要約】『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』大切なポイントは「自分を疑う」
急速に変化する世界を生きていくために、私たちは「再考」することが必要なのです。
「再考」するために大切なのは、
「自分を疑う」
意識を持つこと。
再考は知的に謙虚であること、つまり、無知を自覚することから始まるからです。
人は「考える」ことをできればしたくない生き物です。
私たちが既存の考え方に執着することが多いのは、そのほうが考え直すよりもずっと楽だから。
変化に対応するためには、ひとつの考えに固執するのではなく、柔軟に考えを変えていかなけばなりません。
本書の要点は3つあります。
3つの要点
1.自分の考えを再考する
2.相手に再考を促す
3.学び、再考し続ける
この3つの要点を理解することで、再考するためのポイントを知ることができます。
では、要点をひとつずつ説明していきます。
【要約】1.自分の考えを再考する
最初に私たちが再考をしようとしない理由を説明しましょう。
著者の同僚のフィル・テットロック氏は考えたり、話をしたりする時、無意識的に3つの職業の思考モードが私たちの頭の中で切り替わっていることを発見しました。
3つの職業の思考モード
・「牧師」
・「検察官」
・「政治家」
牧師の思考モードは信念がぐらついているとき、理想を守り確固としたものにするために説教する。
検察官の思考モードは他者の推論に矛盾を感じたとき、相手の間違いを明らかにするために論拠を並べる。
政治家の思考モードは多くの人を味方につけたいとき、支持層の是認を獲得するためにキャンペーンやロビー活動を行なう。
これらの思考モードでは、自分の信念を貫くこと、他者の過ちを指摘すること、そして多くの支持を獲得することに没頭し、自分の見解が間違っているかもしれないと再考しなくなるのです。
では、再考するためにはどんな思考モードであれば良いのか?
それは
「科学者」の思考モード
です。
真実を追求するときに、科学者の思考モードになります。
自分の知っていることを疑い、知らないことを深掘りするために仮説を検証する実験を行ない、新しい知識を発見する。
科学者の思考モードはまさに、「自分を疑う」状態なのです。
科学者の思考モードを維持する方法を紹介しましょう。
科学者の思考モードを維持するためには、自分の意見や考えの固執を分離(デタッチ)することが必要です。
著者は2種類のデタッチメントが有益だと述べています。
(デタッチメントとは、かかわりがないこと、無関心なこと)
2種類のデタッチメント
①「過去の自分と現在の自分を分離させること」
②「自分の意見や考えを自分のアイデンティティから分離すること」
それぞれ簡単に説明します。
①「過去の自分と現在の自分を分離させること」
これは言葉のとおり、過去の自分と現在の自分を切り離すことです。
過去の自分
現在の自分
過去の自分
↑
↓
現在の自分
人は過去の自分も現在の自分も考えは変わらないと思い込みがち。
さまざまな経験をすることや価値観に触れることで、過去の自分と現在の自分は別であることを自覚することが大事なのです。
②「自分の意見や考えを自分のアイデンティティから分離すること」
アイデンティティとは「自分は何者であるか」を認識することです。
本来、自分を定義するには価値観に基づいて定義をします。
価値観は、健康、感謝、謙虚といったものです。
ですが、ほとんどの人は自分の意見や考えを基に自分を定義しています。
このことは自分の考えを変化させていく妨げになっているのです。
自分が間違っているかもしれないと考えること自体が許しがたくなり、向上しようとする思考の扉を閉ざしてしまいます。
いっぽう、価値観を自分のアイデンティティの基底におけば、柔軟な心を保ち、視野を広げるための最善の方法を喜んで受け入れられるようになります。
以上のことから、自分の意見や考えを自分のアイデンティティから切り離すことが大事なのです。
【要約】2.相手に再考を促す
「自分の意見や考えが正しい」と言って、考えを変えない人があなたの身近にいませんか?
この章では、相手に再考を促すために必要なスキルをお伝えします。
相手に再考を促すために必要なスキルは
「傾聴」
です。
傾聴は質問するスキルと応答するスキルが一体となった能力です。
なぜ、傾聴が大切なスキルなのか?
理由は「ただ聴いてもらう」だけで人は安心して率直になれるから。
こちらが相手の話に耳を傾け、好奇心を持って質問をし、そして相手の話を受けとめる。
すると相手は自分の意見や考えを熟考するようになり、再考することにつながるのです。
【要約】3.学び、再考し続ける
私たちは生活のあらゆる面を再考し、各ライフステージで学び続けることが大切です。
各ライフステージで学び、再考し続けるために大切なポイントを3つ紹介します。
3つのポイント
①「アンラーニング」
②「曖昧さや混乱」
③「心理的安全性」
ひとつずつ説明していきましょう。
①「アンラーニング」
アンラーニングとは、誤った知識や固定観念を捨てることです。
具体的に例をあげて説明をすると、小学校で習った内容が数年後には、新しい事実によって習った内容が間違っていたということがあります。
このような場合、私たちは誤った知識をのちのライフステージで修正するのは難しくなるという研究結果があるのです。
そのために大切なのが、誤った知識や固定観念を捨てる「アンラーニング」なのです。
アンラーニングをすることで、新しい知識を受け入れやすくなります。
②「曖昧さや混乱」
人は問題に対して確固たる答えを求め、曖昧さを嫌う欲求があります。
世の中は白か黒かというように答えが2つのうちどちらかという訳ではありません。
グレーゾーンというような曖昧なこともあるのです。
曖昧さや混乱に対して探求心と好奇心をもって対応できることは心の柔軟性を見る指標の一つであることが、心理学者の研究で明らかにされています。
学びを深めるためには曖昧さや混乱に対し、探究心と好奇心をもって対応できることが大事になります。
③「心理的安全性」
学び、再考し続けるためには「心理的安全性」がある環境も大切です。
「心理的安全性」がある環境では、発言者は意見や考えを率直に述べることができます。
周囲の人たちが述べた意見や考えを受けとめることができると、再考を促す意見を発言者は受け入れることができ、意見や考えを深めることにつながります。
『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』の【書評】
『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』の書評です。
最初に私が考えさせられた文を紹介します。
職業の選択において、アイデンティティ・フォークロージャーは、「大きくなったら何になる?」という、大人が子どもに投げかける質問がきっかけになることが多い。この質問を浴びせられることによって、将来の職業はこうだ、自分はこうなるべきだといった固定的なマインドセットを生む。
「これは大人が子どもに問いかける中でも、最も無益な質問だ」とミシェル・オバマは記している。「大人になったら何になる?まるで成長することには限りがあるかのように聞こえる。まるで、何かになることが最終目的だとでも言っているよう」
引用元:『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』
フォークロージャーとは心理学で、若年期に十分な知識や経験がないままに自己感を確立し、その他のアイデンティティについて考えようとしなくなる状態をいいます。
子どもに「大きくなったら何になる?」という質問をしたことは多くの人が経験したことがあるでしょう。
子どものうちに将来この職業につきたいという希望を持ち、その希望どおりに人生を歩む人たちを私は素晴らしいなあと思っていました。
しかし、もしかしたらその人にもっと適した職業もほかにあるのではないかと思ったこともあります。
この文はまさにそのことを指摘していると感じました。
この質問は「仕事=自分」という考えを植え付けることになりかねない。
子どもの将来の可能性を広げるならば、将来に対する質問をするときは、言葉を選ばなければいけないと考えさせられました。
次に本書を読み終えて、全体的に感じたことです。
それは、
「多くのことを学ばなくても良いではないか?」
ということです。
多くの情報や知識を浅くでも良いので得ることが、知見を広げることになるという考えがあります。
再考するということは知識を掘り下げることになります。
多くの情報や知識を浅く得るのではなく、学んだことを掘り下げつつ、必要に応じて広げていく。
このようなスタンスであることが大事なのではないかと考えさせられました。
まとめ:大切なポイントは「自分を疑う」
「再考」するために大切なのは、
「自分を疑う」
意識を持つこと。
再考は知的に謙虚であること、つまり、無知を自覚することから始まる。
急速に変化する世界を生きていくために、私たちは「再考」することが必要です。
自分の考えは間違っているのではないか?
別の視点から考える必要があるのではないか?
本書にも書かれていますが、定期的に自分の考えを見直すことが大事です。
今回、記事に書いた内容はポイントを絞っています。
本書には「再考」することの大切さがもっと書かれています。
自分の考えに固執してしまいがちの人におすすめしたい本です。
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今回の記事は以上で終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。