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思考/マインド

心の奥にある【痛み】で行動の特徴が分かる「メンタルモデル」

2022年5月2日

こんにちは、ちゃむです。

今回は次のような悩みを持つ人に向けての記事です。

悩んでいる人

「メンタルモデル」というものがあることを知ったんだけど、「メンタルモデル」とはどういうものなの?



このような悩みを持つ人に、心の奥にある【痛み】で行動の特徴が分かる「メンタルモデル」を紹介します。


まずは結論から。

「メンタルモデル」とは、誰もが無自覚に持っている「自分は/世界はこういうものだ」という人生全般の行動の起点になっている信念・思い込みです。

さっそく「メンタルモデル」について説明していきましょう。

心の奥にある【痛み】で行動の特徴が分かる「メンタルモデル」とは

出典:「ザ・メンタルモデル」

一般的に使われている「メンタルモデル」とは、認知心理学の用語で、現実を認知する前提にある思い込みや既成概念を意味するものです。

当記事で紹介する「メンタルモデル」は、人間が幼少期に体験した【痛み】を切り離すために「自分もしくは世界とはこういうものだ」と無意識に決定づけたその人固有の最も深いところにある信念という捉え方をしています。

これは『ザ・メンタルモデル』の著者の由佐美加子さん独自の定義です。



人間には誰もが絶対に避けられない体験があります。

それは「痛み」を感じるという体験です。

痛みはどういう時に生じるかというと、「自分の内側でこの世界に『ある』はずだ、思っていたものが外側の世界にはない」という欠乏・欠損の認識が起きるときです。



あるはずなのに、それがここにないという衝撃、痛みを身体で感じるその瞬間、様々な感情が溢れます。

怒り、悲しみ、戸惑い、パニック、恐怖など、思考が未発達な状態でうまく処理ができないまま感情として感じます。

これらの感情を感じ続けると痛みが続くので、不快感をなんとかしないと、という衝動が自分と起きた事象を切り分けようとするのです。

痛みが起きた理由づけをすることによって、痛みから自分を切り離す、ということが無意識で起こるのではないかと由佐さんは考えています。



その時に形成されるのが、世界や自分に対する「判決」のような言語です。

これが「メンタルモデル」と呼ぶ無自覚な信念です。

心の奥にある【痛み】を回避する2種類の回避行動

メンタルモデルができあがると、【痛み】を2度と味わうことがないようにどうしたらいいのか、という対処行動をするようになります。

これを痛みの「回避行動」と呼んでいます。


「回避行動」には2種類あります。

2種類の回避行動

①克服型
②逃避型

それぞれ簡単に説明しましょう。

①克服型

克服型は努力や能力を見せつけるなどをして【痛み】を克服しようとします。

行動が目に見えるので、社会的に評価されやすいです。

②逃避型

逃避型は不安・恐れが強いため、逃げる・避けるなどの行動を起こし、【痛み】から逃避しようとします。

内に向かってエネルギーを使うため、行動が目に見えにくいので、社会的に評価されにくいです。



ひとりの人間は必ず克服も逃避もどちらの行動もとっていますが、どちらかの傾向がより強い行動様式になっています。

4つの「メンタルモデル」

「メンタルモデル」は大きく4つの類型に集約されます。

4つの「メンタルモデル」

①「価値なし」モデル(私には価値がない)
②「愛なし」モデル(私は愛されない)
③「ひとりぼっち」モデル(私は所詮ひとりぼっちだ)
④「欠陥欠損」モデル(私には何かが決定的に欠けている)

ひとつずつ簡単に説明していきましょう。

①「価値なし」モデル(私には価値がない)

「他の人に対して価値を出せなかったら自分にはここにいる価値はない」と思うタイプが「価値なし」モデルです。

根っこにある痛みは、「自分がただありのままで存在しているだけでは、価値あるものとして認めてはもらえない」というものです。

痛みを避けるための回避行動は、がんばって能力をひたすら高め、自己価値を証明するために他人の要求や期待に応え続け、承認欲求から価値を出すためにひたすら動き続ける、という克服型になりやすい傾向があります。

②「愛なし」モデル(私は愛されない)

「自分が求める愛はない、自分は望む形で愛してもらえない」と思うタイプが「愛なし」モデルです。

恒常的な「寂しさ」を抱え、人との一対一の深いつながりに対する渇望感と恒常的な不安があります。

典型的な回避行動としては、自分を愛してもらうためにひたすら相手に奉仕するという形で、自己犠牲的に愛を与えようとするパターンに入りやすい傾向があります。

③「ひとりぼっち」モデル(私は所詮ひとりぼっちだ)

「絶対的にひとつにつながっているはずだったのに切り離される」と思うタイプが「ひとりぼっち」モデルです。

もう少し分かりやすくしましょう。

「所詮つながりは断たれるものだ、人は自分のところから離れていくものだ」という割り切りの感覚と、「どうせ自分はこの世界にひとりで生きているんだ」という独特の孤独感を持っているタイプです。

「痛み」を二度と味わいたくないという無自覚な衝動から、一方的に切り離されるという体験を回避しようと行動するので、人にそもそもあまり入れ込まない、また親密なつながりが深まるほど、いつかこのつながりは終わっていくものだという心の準備を無自覚にしていたり、相手が自分の元から去っていくと感知したら、自分から先に相手をうまく切り離すという行動によって、「痛み」を避けようとします。

④「欠陥欠損」モデル(私には何かが決定的に欠けている)

「自分はどこか出来損ないだ、人とは何かが決定的に違う、補えない欠陥を持って生まれてきてしまった」といった存在そのものに決定的に何かが欠けていると思うタイプが「欠陥欠損」モデルです。

「自分はここにいてはいけないんじゃないか?」といった世界に自分が存在することに漠然とした不安を抱え、何かまずいことが起きると必ず、自分のせいだ、自分が至らないからだ、と自分を責める反応を起こすのが特徴です。

人の目が気になり、大勢の中にいると緊張し、場の空気を乱すんじゃないかととても気をつかった言動をとります。

特に逃避型の欠陥欠損モデルの人たちは、大勢の中にいると、不安気な自信なさそうな印象を受けることがあります。



4つのメンタルモデルにある痛みは、多かれ少なかれ、すべての人の中に共通して存在しています。

どの「メンタルモデル」をメインとして持っているかは人によって異なるのです。

それぞれの「メンタルモデル」にどんな特性があるのかを知っておくと、人を理解するひとつのレンズとしてとても役に立ちます。

人間の意識の発達段階モデル

『ザ・メンタルモデル』の著者の由佐美加子さんは人間の意識の発達段階モデルを5つあげています。

5つの発達段階モデル

①適合期
②直面期
③自己統合期
④体現期
⑤自己表現期

それぞれについて簡単に説明します。

①適合期

外にある世界に必死になって適合しようとしており、その状態に安住している段階。

この世界でどう自分が受け入れられるか、愛されるか、が最大の関心です。

あるべきはずの「愛」や「つながり」がないという体験が必ず起こり、それ以降、その無自覚な痛みに触れないように懸命に外側に働きかけている状態です。

②直面期

生命の源からの声を無視して、ひたすら外側に同じ行動パターンで働きかけることから生み出させる不本意な現実の深刻度がエスカレートして、一見すると破綻しているように見える現実に直面することがある状態です。

③自己統合期

自分の生き方の限界に直面することでずっと外側に向かっていた意識が、自らの内面に向かい、自分を見つめ直して「内的統合」へ向かうプロセスが始まります。

④体現期

気づきがくり返されることで「内的統合」が進み、何かが外側に「ない」と思い込んでいた信念が内側で認知され、欠けていると感じていた「愛」や「つながり」は自分の内側にあったことに気づきます。

それが本当は内側にあると感じられると、内的充足が進み、その人の在り方から外界に自然にそれがにじみ出て、周囲はその人の存在からそれが確かにあることを現実として感じとれるようになります。

⑤自己表現期

メンタルモデル固有の本来自分がここに生まれて創り出したい世界は何だったのか、というミッションに目覚め、その在り方からその人が日々生きることが周囲の人や世界の進化を促していきます。

私の「メンタルモデル」

この章では、具体例として私の「メンタルモデル」について考えてみます。


私の「メンタルモデル」は

メイン:「価値なし」モデル(私には価値がない)
サブ:「欠陥欠損」モデル(私には何かが決定的に欠けている)

だと考えています。


私が幼少期に抱いた「痛み」は父親に自分がしていることを「認めてもらえない」という思いです。

誰かに「認めてもらえない」という思いは社会人になり、より一層強く感じるようになりました。

仕事で自分では頑張っているつもりでも、上司に「首にするぞ」「お前の顔なんかみたくない」と言われ、自分は認められていないんだと常に感じていました。


回避行動として、私は結果を出して認めてもらおうとする克服型の行動を最初にしていました。

ですが、我慢の限界までいくと会社を辞めるというような逃避型の行動をします。

サブの「メンタルモデル」として「欠陥欠損」モデルをあげたのは、何か問題があると、「自分が至らないせいだ」とか「自分には何かが欠けているのでは」と考えることもよくあるからです。



自分の「メンタルモデル」について考えてみると、4つのタイプはすべて持っているということが分かります。

その中でもメインとなる「メンタルモデル」は人それぞれ違うということも理解できます。

まとめ:「メンタルモデル」とは無自覚に持っている「自分は/世界はこういうものだ」という信念・思い込み

「メンタルモデル」とは、誰もが無自覚に持っている「自分は/世界はこういうものだ」という人生全般の行動の起点になっている信念・思い込みです。


「メンタルモデル」は4つのタイプがあります。

4つの「メンタルモデル」

①「価値なし」モデル(私には価値がない)
②「愛なし」モデル(私は愛されない)
③「ひとりぼっち」モデル(私は所詮ひとりぼっちだ)
④「欠陥欠損」モデル(私には何かが決定的に欠けている)

4つのメンタルモデルにある痛みは、多かれ少なかれ、すべての人の中に共通して存在しています。

どの「メンタルモデル」をメインとして持っているかは人によって異なるのです。

それぞれの「メンタルモデル」にどんな特性があるのかを知っておくと、人を理解するひとつのレンズとしてとても役に立ちます。


参考サイト
「ザ・メンタルモデル」

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ちゃむ

ウェルスダイナミクス、本の要約、思考について書いてます | 情報発信の根底にあるのは人の成長 | 2021年5月ブログ開設 | 当ブログはアフィリエイトプログラムに取り組んでいます

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